【2020年最新の憲法書籍情報】どうせ読むなら定評のある本を読みたいもの。そうは言っても、学習の初期の段階では、どんな書籍が定評があるのかも分からないものです。そこで、今回は、当サイトの運営者の独断ではありますが、法律学習者向けの憲法書籍から「これを読んでおけば失敗はしない」という書籍をジャンル別に15冊をセレクト。これを読めば、憲法書籍の定番を知ることができます(なお、情報は記事執筆時のものです。詳細は、書店や公式サイトでご確認ください)
入門書
①憲法主義 条文には書かれていない本質
内容紹介
もしも国民的アイドルが、日本国憲法を本気で学んだら…。本格的な内容と読みやすさで、専門家からも高い評価を得た憲法入門書が、コンパクトな文庫サイズになった。気鋭の憲法学者が高校生アイドルに講義をした内容を、ほぼそのまま収録。全5講義で、憲法の重要ポイントがほぼ語り尽くされている。「恋愛の禁止は憲法違反か?」など、身近な例も豊富で、憲法の本質が誰にでもわかりやすくつかめる一冊。
読者の評価スコア
PICK UP口コミ
『憲法が、面白くなる。』
AKB48メンバー(当時)の内山奈月さんと、九州大学の南野森教授の共著。「アイドル本」と、バカにすることなかれ。扱われている内容は想定以上に深く、読ませる内容です。2時間ほどで通読出来るため、各種試験対策の「はじめの一冊」に最適ではないでしょうか。 ー司法試験受験生
インプット本
②基本憲法I 基本的人権
内容紹介
判例の示す規範とは何か。どう使うのか。各権利・自由を、意義、内容、判断枠組み、具体的問題、演習問題という構成で明快に解説。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『憲法インプットの新定番』73期司法修習生
学者と実務家の共著ということもあり、アカデミックと論文対策のバランスが絶妙な一冊。判例のロジックや、批判が端的に解説されていて、論証を作成する際にも、大いに役立つはず。憲法の勉強を何から始めたら良いのか悩んでいる方は、差し当たり本書を選ばれてはいかがでしょうか。
『人権の決定版。統治の出版が待たれる。』名無(ロー受験生)
他の方が仰っているように,人権に関してはこの本で十分である。審査基準がまとめられており,また,各章末に事例問題,木下先生による好評等があり,演習書も兼ねているため値段相応もしくはそれ以上である。加えて重要語句については太字ゴシック,判例などの重要箇所については下線で強調されており,初学者の道標になる。
もっとも,他の基本シリーズとは異なり,実務説・判例説を肯定するものではない箇所が多く(例えば公務員の人権の合憲性審査に対する批判。この点についてはほぼ全ての学者が批判をしているが,やはり基本シリーズであるため,肯定的に論じて欲しかった),また,伊藤先生が執筆しているため本書を選んだという声について,協議して作成された本とはいえ,伊藤先生執筆部分は15章のみで,他は木下先生によるものである(はしがき参照)ため,予備校講師,ロー教授が作成に携わっていたという理由で敢えて選ぶ必要は内容に思える。
なお,第1版2刷の時点では憲法判例百選は6版対応。
『記述には「割り切り」も。しかし、やっぱりスタンダード。』司法試験受験生
実際、本書は良書です。本文では、各権利についての論証の運び方が大変わかりやすく提示されます。章末の問題や最終章では、その論証をどうやって使うのか見せてくれるという親切っぷり。論証集の出来が軒並み悪い(と、能力の低い筆者は思う)憲法にあって、本書は大変貴重です。
一方、記述にはある種の「割り切り」も見られます。引っかかった点につき他の書籍にあたってみると、視野が広がることもしばしばです。
本書の記述をきっかけに他の書籍にあたり、憲法上の論点への理解を深めるも良し。「売れてるんだし、みんなこんなもんっしょ」と諦め、本書の記述を暗記するも良し。いずれにせよ、司法試験受験界の新スタンダードである事に疑いはないでしょう。
③立憲主義と日本国憲法
内容紹介
日本国憲法とは何か。立憲主義の思想につねに立ち返りながら、それを丁寧に繙いていく。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『確かな論証。』
本書については、多様な評価があるところと思います。芦部の副読本とされる一方、新しい議論も取り入れられていて副読本には向かない、とも言われます。また、分かりやすいので芦部後継としては一推し、との評価の一方、かなり高度との評価もされています。
筆者としては、本書の記述は分かりやすいと感じます。論理の運び方が美しく、論証のお手本としています。最判平成31年1月23日に関する156〜157頁の論証、パブリック・フォーラム論に関する252頁の論証については、特に感動しました。
ー司法試験受験生
④憲法学読本
内容紹介
基礎から学ぶ、「憲法」という歴史。読みやすい叙述・通読しやすい分量で、憲法を学ぶ上での重要事項を一通り網羅。学習のコアとなる一冊。近年の重要判例や、憲法をとりまく情勢の変化もふまえた最新第3版。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『コンパクトな一冊』
憲法のエッセンスが一冊にまとまった良書だと思います。これ一冊だけでは司法試験を受けるには若干心許ないので、四人組などで補完する必要があるかもしれません。
共著ですが、それによるデメリットは個人的に感じませんでした。若手の憲法学者としてはトップランナーの一人でもある宍戸先生の担当箇所は最新の学説も反映されており、知的好奇心がくすぐられました。
芦部や佐藤憲法のような伝統的な基本書も魅力的ですが、司法試験を意識するならこちらがベターかもしれません。司法試験受験生
⑤憲法(芦部信喜)
内容紹介
憲法教科書の決定版「芦部憲法」、4年ぶりの改訂!この間に生じた憲法変動を織り込む。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『読みごたえはあります。』
著者は戦後の日本の憲法学会を牽引された大家です。大分前にお亡くなりになったので、現在はお弟子さんが改訂に携わっておられます。その場合も本文に手はつけずに、著者の意図を最大限尊重する形での改訂がなされています。
二昔前までなら、司法試験(憲法)でも最大のシェア率を誇りましたが、今は通読していない方も多いです。理由は上述の通りに著者がかなり前に逝去されたため、(改訂されているとはいえ)現在の学説をピックアップできていないからです。
しかし、憲法のエッセンスは色褪せていないため、一読の価値はあるかと思います。司法試験受験生
判例集
⑥憲法判例50!
内容紹介
憲法最重要判例50件を厳選。人権・統治これ1冊でOK!いままでとは違う新しい判例教材。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『精選された判例をわかりやすく。』
①扱われている判例は、わずか50。+αを含めても、百選や判プラより少ないことは言うまでもありません。こんなに少なくっていいのかとも思いますが、「丁寧に読む判例の数」としては十分なようです。(下級審まで遡って判決を読むことを勧める文脈で、『50!』の半分くらいでいいとする赤坂幸一教授の発言につき、曽我部他編『憲法論点教室(第2版)』(2020年)日本評論社、242頁。)
②解説も、大変分かりやすいものです。争点を「読み解きポイント」として明示し、判決の重要部分を青字にし、しかも「この判決が示したこと」として判決をまとめてくれる親切っぷり。解説本文も、内在的理解に努めるものとなっています。
③事案にも、かなりの文字数が当てられています。特に本書39番事件の「郵便法違憲判決」については、恥ずかしながら、本書で初めて事案の詳細がわかりました。
通読用の憲法判例集としては、かなりの良書であろうと思います。司法試験受験生
⑦判例百選憲法
内容紹介
憲法の主要判例の意義・位置づけを明らかにする憲法判例教材の決定版。旧版刊行以降に示された,最高裁大法廷判決3件を含む5件を追加し,基本的人権総論・法の下の平等・精神的自由・経済的自由に関する106件の判例を収録した。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『憲法判例の第一歩!』司法書士受験生
判例集を持っていない方は、まずはこちらの百選がオススメです。
本書では、事案や判旨が短めに記載されているので、初学者の方でも繰り返し通読しているうちに理解が深まります。
目次には、判決日等の略記が併記されているのも使いやすい点です。
憲法判例百選II では、人身の自由からGPS捜査と憲法35条など、比較的新しい判例や社会権、統治まで、重要判例が多数掲載されているので、行政書士試験や司法書士試験を受けられる方にも持っておきたい1冊です。
『憲法の勉強には必須』司法試験受験生
憲法の勉強において判例集を読むことは必須だと思います。事案の概要を知らないと試験において判例の射程を聞かれたときに対応できないので、規範の部分を読むのみでは不十分です。百選には事案の概要と判旨がコンパクトに書かれていて判例の勉強に必要最低限度のことが書かれています。解説も、読んだ方がいいところが多いと思います。
⑧精読憲法判例
内容紹介
判例を徹底的に読み込む、それこそが法曹実務家へと至る王道であり、法曹実務家の力の源泉である―。厳選された73の最高裁判例について、判決文を全文掲載のうえパラグラフごとに詳解、図解や設問など学習のためのサポートも充実して自学も可能な、いま最もリアルなケースブック。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『通読しなくても元が取れます!!』
3cm×18cm×26cm。
判例プラクティス憲法と比べても「デカイ」本書は、中々の存在感を放っています。全部潰すのは、時間のない受験生にはかなり厳しい。
勿論、無駄に分厚いわけではありません。本書が分厚いのは、判決の全文を引用した上で詳細な注釈をつけているためです。選定されているのは、憲法初学段階当時の筆者にさえ聞き覚えのある判決ばかり。通読したとしても、無駄にはならないでしょう。
参考書/副読本
⑨憲法の地図
内容紹介
最高裁判所調査官解説をガイドラインとした日本初の判例解説書。「条文」と「判例」を手がかりに「憲法の地図」を描く。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『まさに頭の中に憲法判例の地図を作るのに最適』
テーマごとに複数の判例が載せられ、いかなる事案類型についていかなる規範が立てられているのか、がコンパクトにまとめられている。ただし、事案についての説明は紙幅の都合上かなり省略されているので、その点については、別途違う本で学んでおく必要がある。その上で、この本で当該事案類型においてはこの判例が使えないかどうか、といった視点を得ることができる。司法試験受験生
⑩「憲法上の権利」の作法
内容紹介
実際の憲法(基本権)問題の判断において必要とされる論理構造を解き明かす。防御権の「原則-例外関係」を前提とした「三段階審査」,原則-例外を観念できない積極的権利の「下限の統制」,制度に依存した権利の「制度準拠審査」など,『憲法上の権利』の論証作法を広く示すとともに,判例との理論的整合を図る。
今回の改訂では新版(2011年9月)刊行以降の新判例(婚外子法定相続分平成25年決定,夫婦同氏規定判決,再婚禁止期間訴訟,堀越事件等)を織り込み,権利性の否定,制度準拠審査,「事情の変化」論の記述を大幅に改める。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『憲法論証に特化した良書』
今や違憲審査基準論を押しのけて有力化した三段階審査論をベースに憲法の論証作法が丁寧に描かれています。
憲法の論文型試験では一定の書き方、つまり「作法」が存在しますが従来の憲法の基本書ではこの「作法」について説明がされていません。
本書では基本権の保障範囲→制約→正当化という答案作成におけるの一つの「作法」が解説されており、この本を読むことで憲法の大枠をつかむことができるため、これからの学習によって得られる効果が何倍にもなると思います。
なお、本書は純粋に三段階審査論に沿って解説されているため、三段階審査論の実質的正当化部分に違憲審査基準を接合させたいわゆる「ハイブリット方式」については他の本を参照する必要があります。しかしこの点を考慮しても非常に有益な本であるといえます司法試験受験生
⑪憲法論点教室
内容紹介
よくある質問への解説から、効率よく答案作成のコツをマスター!疑問を抱えたままに終わらせず、憲法への苦手意識を払拭!憲法の勉強をワンランク上のステージに導く紙上オフィス・アワー!
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『痒い所に手が届くようになった良書』
初版の時点で十分有益な本であったが、第2版はより受験生にとって使いやすいものとなった。
違憲審査基準論の当てはめ方や政教分離が問題となった場合の考え方など、実際に答案を作成する段階で多くの学生が立ち止まるであろう部分について一歩踏み込んだ記載が追加されている。
初版は単に論点の深堀本という印象であったが、2版は答案作成という面でも『憲法判例の射程』や『憲法上の権利の作法』と並ぶ良本となった。
また、依然として個別論点の解説書としても高レベルな解説が並び、執筆者間の差もほとんど見られない。法学部四年生
⑫読み解く合格思考憲法
内容紹介
旧司過去問→主張・反論型にアレンジ。司法過去問+予備過去問(新規掲載)。答案の書き方を権利ごとに解説。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『憲法答案の型が身に付く』
司法試験上位合格者が執筆した憲法答案の型が身に付く一冊。憲法の事例問題を解き始める前に、まずは本書で憲法答案の書き方を習得すると良いでしょう。本書には、旧司法試験の問題も掲載されているので、アウトプットも可能です。さらに、答案例付き。受験生の味方。運営者
『分かりやすい。使える。でも…』司法試験受験生
「書き方がわからん!!」となりがちな憲法にあって、本書は大変貴重です。
人権各論の部分では、各権利類型ごとに条文・定義・保障根拠・保護範囲を明記した上で、関連する判例を紹介。旧司法試験や予備試験などによって、問題演習までさせてくれます。答案の書き方が見えてくる良書であることに疑いはありません。しかも、合格者による補訂がなされたばっかり!最新の傾向も反映されていましょう。
⑬憲法 事例問題起案の基礎
読者の評価スコア
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『憲法答案を書く前に』
岡山大学の教授が実際のロースクール生の答案を踏まえて書いたのがこの本。他の法律科目と違って答案を書くスタートが分かりにくい憲法ですが、この本を読めば何となくの型がわかるようになります。また、学習を進めていく中で不安な点があれば立ち返ることのできる本でもあり憲法が苦手な人の精神的な支えになる本だと思います。学部4年生
演習書
⑭事例問題から考える憲法
内容紹介
リアルでアクチュアルな事例に学ぶ、憲法演習全30問。設問とその解説では依頼者の主張に適した憲法論を組み立てることを重視した。依頼者の立場から条文・判例を有利に解釈し、相手方の主張に反駁していく、実践的な憲法論を提示する。『法学教室』掲載時の24問に加え、新たな設問6問を収録。解説の分量を大幅に増やし、設問に対する著者自身の見解も書き下ろした。憲法の事例問題に向き合うときの視野が広がる。
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『各論の理解が進む』
事例問題から考える、という本のタイトル通り、事例問題からいかなる憲法上の権利や原則が問題になるのかを抽出し、複数の考え方・立場から、論点について説明がなされる。事例の設定として、ある立場(公権力の場合もあれば、それと対立する私人の場合もある)から、どのように考えるべきか、が問われているので、近年の司法試験・予備試験の傾向ともマッチしている。司法試験受験生
⑮憲法ガールシリーズ
内容紹介
平成18年~24年の司法試験事例問題を主張と反論の形で解説。試験時間内に作成可能な短い答案例を追加。引用文献・判例一覧をアップデートし、事項索引を追加。イラストを一新(イラストレーター:紅木春氏)。(憲法ガールremake edition)
読者の評価スコア
PICKUP口コミ
『初学者からベテランまで。』
憲法ガールについては、難しすぎる、高度すぎるという方もみえるみたいですが、そんなことはありません。
そのようなことを言われる人は、参考答案しかみていないのではないでしよわうか。
判例をハシゴにして考えることや思考方法は、初学者にとっても分かりやすく、活用できるものだと思います。
高度な部分はあるものの、自分にいかせるものは必ずある本だと思います。
Ⅱとありますが、Ⅰを読んでないと分からないことはありません。
しかしⅠの方が基礎から説明はしてあると思うので、ぜひ一緒に読んでいただきたいです。ー司法試験受験生
『論理で憲法答案の仕組みを解説してくれる名著』予備試験受験生
論文憲法に手をつけ始めた初学者の段階では、憲法答案に権利や制約を示す場合、感覚に依らざるを得なかったり、問題文を読んでも誘導や拾うべき事実に目を向けることすらできないことが多々ある。本書は、登場人物の会話によって初学者にありがちな憲法への苦手意識と感覚的なマインドを見破りつつ、その後に初学者が論文をどう攻略すべきか、具体的な学習方法、思考方法、論述方法を提供してくれる。初学者ほど読むべきであると思う。
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