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条文の読み方「その他」と「その他の」の意味は違う‼1文字の違いで意味が変わる!8つの違いを

今回は、法律を学ぶ上で必要な基礎知識の中でも特に重要な、条文の読み方について解説致します。条文の読み方は、法律を学ぶ上で最も重要な基礎知識でありながら、ちゃんと学べる機会は、そう多くありません。条文の読み方については、「習うより慣れろ」の考え方が一般的なのかもしれませんが、非常に大切なことなので、ちゃんと時間を確保して学んでおくべき知識です。

例えば、

「翌日から起算して1ヶ月」と「翌日から1ヶ月」の違いを即答出来る方は、少ないのではないでしょうか。

あるいは、両者を並列されれば、違いがわかるけど、片方のみ示された場合に、もう片方との違いを意識して、条文を読まれている人は、多くないのではないでしょうか。

今回は、このような非常に大切でありながら、学ぶ機会の少ない「条文の読み方」について解説していきます。

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「推定」「みなす」の違い

「推定」と「みなす」は、混同するとやばい法律用語ランキングがあれば第一位ではないでしょうか。全く効果が異なる用語です。これから法律を学ばれる方も、「推定」「みなす」の言葉が出てきた時は、要注意です。

それでは、民法を例に、具体例をみていきましょう。

○(占有の態様等に関する推定)

第百八十六条 占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する

○(意思表示の効力発生時期等)

第九十七条 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす

ちなみに現行民法で「推定」で検索すると53件、「みなす」で検索すると70件ヒットしました(目次、附則含む)。これだけ多く使われる用語であり、かつ、効果の違う用語ですから、誤解して理解すると大変なことになるのは火を見るより明らかです。

それでは、肝心の定義を確認してみましょう。

例によって有斐閣『法律用語辞典』から引用します。

推定とは…訴訟法上は、A事実の存在が立証されたときは、B事実の存在又はこれによる法律効果の発生が推測されること。みなすばあいと異なり、B事実の不存在の反証が許される。

みなすとは…A(ある事柄や物等)と性質の異なるB(他の事柄や物等)を一定の法律関係について同一のものとして、Aについて生じる法律効果と同一の法律効果をBについて生じさせること。

みなすは、法律効果を生じさせるとしている点で、非常に強力な効果を有する用語です。相手方に反証の余地を与えないものです。推定は、相手方に反証の余地を与える点で、みなすと決定的に異なります。

民法186条の例でいうと、「占有者」であれば、「所有の意思」「善意」「平穏」「公然」が推測され、相手方が反証しない限り、このまま認められることになります。

他方、民法97条2項の例で言うと、到達したとみなされることで、到達した場合と同一の法律効果が生じることになります。この点については、相手方は、反証の余地がないことになります。

「適用」「準用」

これを明確な違いを理解せずに、読み進めてしまう用語の一つだと思います。明確にくべつせずとも、特に問題はありませんが、法律を学ばれている方であれば、説明できるようになって欲しい用語でもあります。

この点も、現行民法を例に挙げて検討してみましょう。なお、「適用」で検索すると、152件、「準用」で検索すると、248件ヒットします。

○(共有物の分割請求)

第二百五十六条 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。

2 前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。

第二百五十七条 前条の規定は、第二百二十九条に規定する共有物については、適用しない。

○(準共有)

第二百六十四条 この節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない。

この点は、簡単に解説しますが、「適用」は、規定をあてはめる場合に使われる用語であり、「準用」は、ある事柄の適用において、類似する他の事項をについて定める規定を必要な修正を加えて、あてはめることを指します。

民法257条の例で言うと、前条の規定(256条)を、229条の規定する共有物については、あてはめないという意味になります。

民法264条の例で言うと、この説の規定を、数人で周遊券以外の財産権を有する場合について修正して、適用するという意味になります。

「者」「物」「もの」

細かいですが「もの」「物」「者」も条文上は、使い分けられています。

「者」は、法律上の人格を有するもの、つまり、自然人や法人を指す場合に使われます。

「物」は、権利の客体となり得るものであり、有体物と無体物を指す場合に使われます。

「もの」は、「物」や「者」以外を指す場合に、使われます。

「から起算して」「から」

この点も、細かいと思いますが、重要な点です。

いずれも期間の始期を示す用語です。

「から起算して」の場合は、初日を参入します。他方、「から」の場合は、初日を参入しません。

例えば、「翌日から1ヶ月」であれば、翌日(つまり初日)を含まない1ヶ月を意味します。

他方、「翌日から起算して1ヶ月」であれば、翌日(初日)を含む1ヶ月を意味します。

「場合」「時」「とき」

この点も使い分けされています。

「場合」と「とき」は、仮定条件。「時」は、「ある特定の時点」を指します。

また、「場合」と「とき」では、「場合」が「とき」より大きい仮定条件となります。

「及び」「並びに」

これはいずれも並列関係を示すものであり、英語であれば「and」です。

ただし、単に単語を並べる場合には、「A、B及びC」のように及びを使用します。一方、「並びに」は、及びの並列をさらに、細分化する場合に使われます。したがって、「並びに」がある場合には、その近くに「及び」が使われています。

例えば、「A及びB並びにC」であれば、まず、「A及びB」グループと、「C」グループの2つに大きく分けられます。その上で「A及びB」グループが、「A」と「B」に細分化されることになります。

「又は」「あるいは」

いずれも選択的関係を指す場合に使われる用語であり、英語では、「or」に当たります。

また、単に単語を選択的に並べる場合には「又は」が使われて、選択関係をさらに細分化する場合には「あるいは」が使われます。この点は、「及び」「並びに」と同じです。

「その他」「その他の」

一文字あるかないかですが、明確に使い分けされています。

①「サッカー、野球その他のスポーツ」

②「サッカー、野球その他スポーツ」では、

サッカー、野球、スポーツの関係性は異なります。

①の場合は、「スポーツ」の中に、サッカーと野球が含まれる(つまり、サッカーと野球は、スポーツの例示)ことになりますが、②の場合は、「サッカー、野球、スポーツ」がそれぞれ独立したものとして扱われています。

まとめ

以上いかがだったでしょうか。条文の読み方は、法律を学ぶ上で最も重要な基礎知識でありながら、ちゃんと学べる機会は、そう多くありません。条文の読み方については、「習うより慣れろ」の考え方が一般的なのかもしれませんが、非常に大切なことなので情報を整理し、意味の違いを意識しながら読むことができるようになることが必要です。

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