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改正民法で変わった?!消滅時効制度を解説【図解有】

今回は、法律を学ぶ人なら必ず押さえておきたい重要改正ポイントとして、改正民法ポイント講義第一弾「消滅時効」について解説したいと思います。改正民法で、消滅時効の制度は、大きく変わりました。消滅時効に解する改正は、実務に対する影響度も高いため、試験で出題される可能性も高いといえます。そこで今回は、改正民法で、消滅時効制度はどのように変わったのかを解説していきたいと思います。

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改正民法には大きく2つのパターンがある

改正民法のパターン

改正民法には、大きく2つの改正方針があります。まずは、この大きな改正方針を押さえて、個別の改正点を勉強する際に、当該改正点は、いずれに当たるのか考えるようにしておきましょう。これは、学習の便宜上2類型としていますが、もう少し細分化して考える方法もありますが、2パターンで押さえておけば十分です。

それでは、それぞれの類型について簡単に解説しておきます。改正民法には、①判例を明文化したもの及び②新しい規律を追加したものの2つに分けることができます。

①判例を明文化したものとしては、債権者代位権、代理権の濫用に関する規定などがあります。これらは、旧民法下で判例が認めていた規範を「法」に格上げしたものになります。そのため、旧民法を学習されていた方であれば、特に問題なく理解できるところと言えるでしょう。また、判例規範を「法規範」に格上げしただけなので、改正によってビジネスの現場が変わるわけではありません。その意味で、学習の必要性やキャッチアップの必要性は、相対的に低いといえます。

したがって、改正法の概観として②新しい規律として追加された規定をおさえることが重要といえます。これは、実務上の影響も高い分野であり、概要を押さえておきましょう。

それでは、②についてですが、代表格は、定型約款です。これは新しく民法典に取り入れられたものであり、学習の重要性は高いと言えます。今回は、定型約款については扱いませんが、詳細は次回以降で簡単に解説していきたいと思います。

また、今回紹介する「消滅時効」も制度としての大きな変更はありませんが、「時効期間」が変わったので、実務上非常に重要となります。時効期間が、どのように変わったのかだけでも学んで帰ってください。

また、「改正民法」と聞くとアレルギー反応を起こす人も多いかと思いますが、そこまで恐れる必要はありません。改正民法の多くは、判例規範を明文化したものであり、実務上の影響はそれほど大きくありません。また、新たな規律として追加されたものに関しても、旧民法施工後の時代の変化に対応したものであります。

民法は、私人相互の関係を規律する最も基本的な法律であるため、改正民法の施工により、日常が大きく変わるものでもありません。この点も頭にいれておくと後々出てくる改正点も理解しやすくなるかと思います。前述したように、判例規範の明文化したものですので、資格試験等で旧民法を学習されていた方であれば、その学習がそのまま活かせるので、気を落とす必要はありません。

前置きはこのくらいにして、今回のメインである「消滅時効」について解説していきたいと思います。

時効とは?

民事上の時効と刑事上の時効

「そもそも時効とはなんですか」と聞かれて正確に即答できる方は、少ないのではないでしょうか。それもそのはずで、時効といっても、民事上の時効刑事上の時効があります。また、民事上の時効も「消滅時効」と「取得時効」の2種類あります。そのため、「そもそも時効とはなんですか?」と聞かれて、正確に一言で答えられるようなものではありません。

正確に即答できなくても「そもそも時効はなんですか?」と聞かれて、多くの方が想像するのは「刑事上の時効」ではないでしょうか。例えば、ニュースとかで「未解決のまま時効成立へ」という見出しを見たことがあると思います。あるいは、刑事ドラマで「もうすぐ時効にかかる」などのセリフを聞いたことがあるかと思います。ここで指している時効とは、いわゆる公訴時効というものです。

我が国において犯人を起訴できるのは、検察官のみです。これを起訴独占主義と言います。この検察官が独占している起訴権限を一定の期間の経過によって消滅させる制度が、公訴時効です。ある事件が、公訴時効に係ると、検察官は、起訴権限を失います。起訴できない事件を捜査しても、裁判にかけることができないため、警察も捜査を打ち切りにします。

続いて民事上の時効について簡単に解説します。前述したように民事上の時効には、①消滅時効と②取得時効の2つがあります。文字通り①消滅時効とは、権利の消滅原因であり、②取得時効は、権利の取得原因となります。

①消滅時効は、例えば、お金を貸し付けた人が、一定期間、その貸金債権を行使しない場合に、その権利を消滅させるものです。②取得時効は、例えば、ある人が不動産を一定期間、自己の物と思って、占有していた場合に、権利の取得を認める制度です。

いずれも「一定期間の経過」が要件となっており、この一定期間を通常時効期間と読んでいます。

消滅時効はなぜ存在するのか

消滅時効制度の存在意義

消滅時効は、真の権利者の権利を剥奪するものであり、また、真の債務者を債務から解放させることになります。なぜ、このような制度を民法は、定めているのでしょうか。

「一定の期間」により権利が消滅するのは、不当ではないかという考えもあるでしょう。しかし、消滅時効は、時代の変化に関わらず、普遍的に認められてきた制度です。消滅時効の存在意義に関しては、様々な説明がされるところですが、重要な視点は「弁済立証は簡単ではない」ということです。

皆さん、10年前の電気料金を支払っていたことを立証できますか?

真実としては、電気料金を支払っていたとしても、弁済の事実を立証するのは時に困難となります。2,3ヶ月前のものであれば、領収証であったり、あるいはクレジットカードの履歴に残っているため立証は可能です。ところが、10年前となると、領収証など残してないのが通常ですが、10年も遡ってクレカの利用履歴を照会するのも現実的ではありません。他方、電気会社は、「10年前の電気料金が未払いであり、支払え」と言ってくるのです。このままでは、あなたは、電気料金を再度支払わなければいけなくなります。しかし、これは、あまりにも不合理です。

そこで考えられたのが「消滅時効」です。

消滅時効の基本的な考えは、「一定期間の権利不行使は、すでに弁済されていることが多く、立証の困難に鑑みて、権利の消滅を認めるのが妥当」という価値判断があります。

さて、消滅時効の存在意義がわかったところで、重要な改正点である「時効期間」について見ていきましょう。

時効期間は、どのように変わったのか?

時効期間

「時効期間は、改正によってどのように変わったのか」

ここが非常に重要ですので、今回は是非覚えて帰ってください。なぜ、「時効期間」が重要かと言いますと、旧民法と改正民法では、原則的規律が変更されているからです。例外ではなく、原則が変更されたため、非常に重要となります。

どのように変わったのかというと、旧民法においては債権の消滅時効期間が「10年」とされていました。

対して、新民法では、債権者が権利を行使することができることを知った時から「5年」、権利行使することができる時から「10年」と2段構えになった点です。新民法では、①と②のいずれかが認められれば、債務者は債権の消滅を主張することができるようになります。中でも、①は、時効期間を大幅に短縮するものであり、非常に重要です。

また、旧民法では、職業別の短期消滅時効を規定していましたが、廃止されました。時代の変化により、合理性が失われたというの理由のようです。

時効期間の短縮の一方で「人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権」については、時効期間を延長しました。これは、生命身体を侵害された被害者は、保護の必要性が高いためです。

以上まとめると、改正民法は、

消滅時効の原則的規律に変更を加え、時代の変化により不合理となった制度を廃止し、生命身体侵害の被害者の保護を手厚くした

ということになります。

最後に

今回は、改正民法ポイント講義第一弾として、「消滅時効」を採り上げさせていただきました。いかがでしたでしょうか。この改正で消滅時効の制度は、大きく変わりました。実務に対する影響度も高いため、試験で出題される可能性も高いといえます。本記事が試験勉強や実務において覚えておきたいポイントといえますので、理解のお役に立てると幸いです。

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