内容紹介(「BOOK」データベースより)
リアルでアクチュアルな事例に学ぶ、憲法演習全30問。設問とその解説では依頼者の主張に適した憲法論を組み立てることを重視した。依頼者の立場から条文・判例を有利に解釈し、相手方の主張に反駁していく、実践的な憲法論を提示する。『法学教室』掲載時の24問に加え、新たな設問6問を収録。解説の分量を大幅に増やし、設問に対する著者自身の見解も書き下ろした。憲法の事例問題に向き合うときの視野が広がる。
みんなの書評・口コミ
考査委員の書いた演習書
司法試験考査委員が著者の演習書で,購入して検討しました。
参考答案はついておらず,解説が付されているのみです。
上位合格者の参考答案を手元において,自分の答案との違いを見つけて修正することを繰り返して勉強していきました。
一つの問題が一つの憲法上の論点に深く論じる問題であるので,テーマごとの学習ができる点が良い点です。
網羅性が欠けることがデメリットです。
ある程度勉強が進んだ人向けで,初学者は,入門書から読んで過去問を解いた方が有益です。
各論の理解が進む
事例問題から考える、という本のタイトル通り、事例問題からいかなる憲法上の権利や原則が問題になるのかを抽出し、複数の考え方・立場から、論点について説明がなされる。事例の設定として、ある立場(公権力の場合もあれば、それと対立する私人の場合もある)から、どのように考えるべきか、が問われているので、近年の司法試験・予備試験の傾向ともマッチしている。
薄く現行試験の形式の問題集
厚い問題集が多い中、本問題集は250ページ以下で薄く、繰り返し演習できる点でメリットあると思います。
また、現行の司法試験の形式であるため、司法試験の演習としても良いかと思います。
さらに、筆者が一人であるため一貫した立場である点も良いと思います。
ただ、型が重視される傾向にある憲法では、答案の型を身につけてから本演習書に当たるのが良いかと思います。
合格思考等の予備校本や講義、答案例等を見て勉強した後に手にとる本だと思います。
今の試験の形式で聞かれています。
この本の特徴は、現在の司法試験の憲法の形式と同じように設問が設定されているところにあると思います。
加えて、現代的な問題(高校生の政治活動、性犯罪刑期満了者の入居拒否)など、そんなこと考えたことなかった!みたいな問題の憲法的解決を聞いてきます。そこがなんとも司法試験的で、いいとおもいます。
一問につき、解説がおおよそ5ページほどですし、サラッと読むだけでも疲れません。
さらにこの本は人気があるのか(?)、アガルート やベクサなどで、講義として取り上げられており、参考答案も手に入りやすいです!
あと、全250ページほどなので、持ち運びに便利です。鮮やかな緑色なので、迷子になりにくいです。
憲法の時事問題対策に
司法試験の憲法の問題では、時事問題が出題されることも珍しくありません。本書では、時事問題が多く収録されていますので、未知の時事問題をどのような切り口で分析し、違憲審査をすれば良いのか、演習を積むことができます。
本書は、時事問題を広く扱う演習書のため、中上級者向けの演習書だと思います。