
本ページでは、受験生が知っておくべき司法試験制度や司法試験対策に関する情報をまとめてています。

司法試験受験生に有益な情報をまとめてみました。随時更新していく予定です。よろしくお願いします。
司法試験の実施要領
受験資格
法科大学院課程の修了者及び司法試験予備試験の合格者
受験期間・回数
5年5回
試験実施方法
①短答式試験と②論文式試験の方法により行われる。
短答式試験の概要
試験日程
試験最終日の5日目

予備試験の短答式試験が同日に行われます。問題も一部共通しています。
試験の方法
マークシート
試験科目
憲法、民法、刑法の3科目
短答式試験の得点
憲法(50点)、刑法(50点)、民法(75点)
足切り点
1科目でも素点の4割未満であれば、3科目の合計点に関わらず不合格となります。

足切り点は、合格基準点と異なり、問題の難易度による調整がありません。令和元年の短答刑法では、368人が足切りを食らっています。要注意ポイントです。
短答式試験の合格点
短答式試験の合格点は、年により変動しますが、概ね合計点の6割程度に設定されています
令和2年:93点←NEW
令和元年:108点
平成30年:108点
平成29年:108点
平成28年:114点
平成27年:114点
論文式試験の概要
試験日程
1日目:選択科目、公法系科目
2日目:民事系科目
3日目:中日
4日目:刑事系科目
試験の方法
筆記試験
試験科目
・民事系科目(民法、商法及び民事訴訟法)
・刑事系科目(刑法及び刑事訴訟法)
・選択科目(知的財産法、労働法、租税法、倒産法、経済法、国際関係法(公法系)、国際関係法(私法系)、環境法のうち1科目)
論文式試験の得点
各100点、合計800点
足切り点
素点の25%点(公法系科目・刑事系科目は、50点、民事系科目は、75点、選択科目は、25点)未満であれば、合計点に関わらず不合格となります。
合格判定の方法
司法試験の合格判定は、短答式試験の得点と論文式試験の得点の合算により行われます。そして、合算は、以下の算式により行われます
算式=短答式試験の得点(満点175点)+論文式試験の得点(800点)×1400/800

こんな算式があるなんて知りませんでした…
合算後の満点は、1575点です。
この算式より、短答式試験の3科目の合計点が、論文1科目分の得点に相当することが分かります。
司法試験の合格最低点
直近5年間の合格最低点は、以下のとおりです。
令和元年:810点
平成30年:805点
平成29年:800点
平成28年:880点
平成27年:835点
合格最低点から読み解く合格の基本戦略
私見ですが、司法試験合格のための基本戦略は、①短答式試験対策では、合格基準点を確実に獲得を目指し、②論文式試験対策では、全科目で素点の50点オーバーを獲得を目指すというものになるかと思います。
まず、①について。合格判定の算式より、短答式試験の3科目の合計点は、論文式試験の1科目分の得点にすぎません。主戦場は、論文式試験です。短答式試験では、合格基準点が取れれば十分であり、満点を目指す必要はありません。
次に②について。令和元年度司法試験の合格最低点は、810点でした。短答の合格基準点が、108点だったので、論文式試験で、702点取れれば合格できたことになります。論文式試験の算式適用後の合計点は、1400点です。そのため、半分ちょい取れていれば合格できる計算になります。
これは、あくまでも令和元年の例ですが、基本的な戦略としては、全科目で50点以上獲得し、得意科目で得点を稼ぐという戦略が良いと思います。
司法試験合格者数の推移

上記グラフは、合格者数、合格率、及びその属性を表したグラフになります。合格者数は、2017年より横ばいで1500人程度に推移しています。他方、合格率は、2016年以降上昇傾向にあり、この傾向は、2020年度の司法試験でも維持されることが予想されます。

この傾向がいつまで続くのか、受験生としては気になる点です。
司法試験で問われている能力

司法試験では、どのような能力が問われているのか調べてみました。
司法試験委員会が公表し「司法試験の内容・方式等について」には、以下の記述があります。
採点に当たっては,事例解析能力,論理的思考力,法解釈・適用能力等を十分に 見ることを基本としつつ,全体的な論理的構成力,文書表現力等を総合的に評価し, 理論的かつ実践的な能力の判定に意を用いるものとする。
司法試験の内容・方式等について
この記述より、司法試験では、①事案解析能力、②論理的思考力、③法解釈・適用能力を基本に、④全体的な論理構成力、⑤文章表現力が問われていることが分かります。