AI要約:『基本行政法判例演習』の評価と特徴
本書は、単なる判例の羅列にとどまらず、判例を「答案で使える武器」に変えることを目的とした、極めて実践的な判例演習書です。
主な特徴とメリット
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判旨の論理展開を可視化: 厳選された36個の基本判例について、判決文の横に段落ごとの解説が付されています。どの条文をどう解釈し、どの事実に当てはめたのかという「判例の構造」が一目で理解できる構成です。
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演習書・論証集としての機能: 各判例を事例問題に見立てた「問い」と「解説」が用意されています。この解説部分は論文でそのまま使えるフレーズとなっており、自作論証の作成や事案の一般化に非常に役立ちます。
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司法試験への即応性: 基本判例にひねりを加えた「関連問題」は、司法試験で問われる「判例の射程(事案の相違点)」を検討する訓練に最適です。また、コラムの「判例チェック」により、百選掲載判例などの重要判示も効率よく網羅できます。
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最強の相棒: 著者の代表作『基本行政法』と併用することで、インプットとアウトプットが有機的に繋がり、学習効率が飛躍的に向上します。
留意点
「基本」という冠があるものの、判例の深い読み込みを要求するため、完全な初学者が本書単体で進めるのは難易度が高い場合があります。まずは『基本行政法』で全体像を掴んだ上で、並行して取り組むのが挫折しないための王道です。

レビュー
3
重要判例がぎゅっと凝縮された判例集
・使い方
行政法判例36個をピックアップし、各判例の規範などを一般化してくれているので、自分なりのまとめノートを作るときにとても役立った。ピックアップされている判例は司法試験で問われたことのある判例も少なくないので、効率よく重要判例の構造を理解できる。
・代替比較
行政法ではたくさんの判例が収録された判例集がいくつも刊行されているが、まずはこの書籍に収録されている36の判例の構造を理解するところから始めてみると良い気がする。また、一応この書籍にも、36個の判例以外に、「判例チェック」として、主な百選掲載判例の重要判示の要約なども掲載されている。
・レベル感
タイトルには「基本」とあるが、判例がメインの教材であるので、いきなり初学者が読み進めても理解が難しいかもしれない。できれば、同じ著者の『基本行政法』を読んでから、またはこれを読み進めるのと並行して読むと理解がしやすいと思う。ただいずれにせよ、司法試験で求められる行政法の理解としては、この書籍と『基本行政法』の内容で十分足りると思う。
・弱点
上でも述べたが、かなり噛み砕いて論述されているものの、ほんとうの初学者にはこの書籍単体だけでは少し辛いところがあるかもしれない。挫折しないためにも、やはり『基本行政法』を相棒とすることをお勧めする。
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判例の理解、網羅に
判例知識を深めるのに、または網羅性を高めるのに有用。基本判例以外は端的に判旨や事例が数行でまとめられている。判例ノートよりもさらに凝縮されている演習のため、より全判例を深く知りたいなら他の書籍を参照すべきか。基本行政法と併用で学習効率は上がると思われます。
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判例集としても演習書としても論証集としても
行政法の判例学習で最低限押さえておきたい基本判例について、事案の概要と参照条文と判決文に加えて、判決文記載部分の右枠に段落ごとに解説を付しており、判決文の論理展開を追いやすく、どの条文をどのように解釈したか、どの事実にあてはめたかを理解しやすい。
また、基本判例を事例問題に見立てて問を作り、その解説もしている。この解説部分が、当該判例を用いて論文を書く際にほぼそのまま使用できるフレーズとなっており、論証集のように用いることができる。
さらに、基本判例に少しひねりを加えた関連問題とその解説もある。この関連問題は、司法試験でほぼ同様の事例が出題されており、「問題と判例との相違点を考えて射程を及ぼすことができるか」という視点を身に付けることができるため、司法試験の対策としても有効。
判例を使えるようになる、という視点では最も良い判例集と考える。
他の科目でもこのスタイルの判例集が欲しい…。
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