伝聞法則に強くなるの書評・口コミ

総合得点 3.00
1
  • おすすめ度
    3.00
  • 使用期間(クチコミ投稿の注意点をご確認ください)
    -

レビュー
1

  • 伝聞証拠の定義を厳密に語ることができるようになる

    本書伝聞法則に特化した参考書で,法学セミナーの連載を加筆して単行本化したもの(はしがきⅰ頁)。
     著者は研究者。
     伝聞法則に特化した参考書としては本書の他に「事例でわかる伝聞法則」(弘文堂)もあるので,これと対比しつつレビューしたい。
     本書が「事例でわかる伝聞法則」より優れている点は,私見では,第1章伝聞証拠とは何か,の記述にある。伝聞証拠の定義については他の基本書や「事例でわかる伝聞法則」にも当然,記述はあるが,本書は,供述概念(第1章2)から論じることで,伝聞証拠の規範を相対的にみて厳密に導出している。
     非伝聞とされるのは,そもそも供述ではない場合(第3章1),供述ではあるが要証事実に照らして非供述証拠である場合(同章2),供述であり,その内容の真実性も問題となるが,伝聞法則の適用が不要である場合(現在の心理状態)(同章3)等がある。本書は伝聞証拠について供述概念から丁寧に論じているため,これらの区別が理解しやすい。
     他方,供述の内容の真実性が問題となるかの判断にあたっては立証構造を把握する必要があり,基本的には慣れによってこの能力を獲得することになるが,私見では本書よりも「事例でわかる伝聞法則」を用いた方が早いと思う。
     「事例でわかる伝聞法則」は,立証構造を把握する技能を磨くことができる。
     なお,本書と「事例でわかる伝聞法則」において用いられている単語に違いがあるので,両方を用いる場合にはそれぞれの言葉の意味を確認する必要がある。また,「事例でわかる伝聞法則」は司法試験問題を直接取り上げているが,本書では司法試験問題をモチーフにした事例問題が出題されている。

    続きを読む 閉じる

    • a_f
    • 3.00
クチコミを書く

伝聞法則に強くなるの書評・口コミ

  • おすすめ度必須

    星の数をお選びください
  • 使用期間(クチコミ投稿の注意点をご確認ください)必須

    星の数をお選びください

クチコミ投稿の注意点

◆書籍の評価について◆
「法書ログ」では、法律書籍を選ぶ際の参考になるように、以下の2つの評価項目を設けています。

1. おすすめ度
実際に使用した感想に基づいて、書籍をどれだけおすすめできるかを評価したものです。
評価は★1~5の5段階で表され、星の数が多いほど高評価になります。

2. 使用期間
どれくらいの期間、その書籍を実際に使い続けているかを評価したものです。
書籍が長期間にわたって使用されているほど、実用性や価値が高いという考えに基づいています。
以下の基準で評価を行ってください。
・半年以内 ★3
・1年以内 ★4
・1年以上★5