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憲法論点教室の書評・口コミ2
「書く」ための論点解説。
憲法の条文は簡素です。なんのヒントにもならないので、解釈論を理解せざるを得ませんが、これがまた難解だったりします。調べて調べて、どうにかこうにか理解したかと思いきや、答案にどう活かしたらいいのか分からない。
私自身、この負の連鎖に悩まされていました。
それを解決してくれるのが、本書です。
各論考が分かりやすいことは勿論、本書の大きな特徴は「書く」ことを意識して執筆されていることです。即ち、各論点を「答案に活かせる形で」理解させてくれるのです。特に、「3 審査基準論と三段階審査」「6 適用審査と適用違憲」「22 法律と条例の関係」は、答案の概要が(朧げながら)見えてくる論考でした。
もちろん、「副読本」の位置づけですので、本書一冊で憲法の学習が完結するような書籍ではありません。ある程度の学説の理解は前提となっていますし、判例の事案の概要についても前提知識とされている論考がほとんどです。ご愛用の基本書と共に、論文問題を解く過程で用いるべき書籍であるように思われます。
司法試験受験生続きを読む 閉じる
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憲法論点教室の書評・口コミ2
痒い所に手が届くようになった良書
初版の時点で十分有益な本であったが、第2版はより受験生にとって使いやすいものとなった。
違憲審査基準論の当てはめ方や政教分離が問題となった場合の考え方など、実際に答案を作成する段階で多くの学生が立ち止まるであろう部分について一歩踏み込んだ記載が追加されている。
初版は単に論点の深堀本という印象であったが、2版は答案作成という面でも『憲法判例の射程』や『憲法上の権利の作法』と並ぶ良本となった。
また、依然として個別論点の解説書としても高レベルな解説が並び、執筆者間の差もほとんど見られない。
法学部四年生続きを読む 閉じる
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立憲主義と日本国憲法の書評・口コミ1
コテコテの学者本...と思いきゃ司法試験にも意外に有用
著者は芦部先生の弟子で、芦部憲法の補訂も手掛けている研究者。
重厚なハードカバーからは難解な研究書のイメージを抱かれがちだが、内容は極めて論旨明快でわかりやすい。芦部憲法の「行間を読む」ことが難しいと感じる受験生は本書の方が良いかもしれない。
実際に辰巳のとある人気講師は憲法の受験対策として過去問以外に本書(特に統治の部分)を読むことを薦めていた。続きを読む 閉じる
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合格思考憲法の口コミ・書評5
憲法答案の型が身に付く
司法試験上位合格者が執筆した憲法答案の型が身に付く一冊。憲法の事例問題を解き始める前に、まずは本書で憲法答案の書き方を習得すると良いでしょう。本書には、旧司法試験の問題も掲載されているので、アウトプットも可能です。さらに、答案例付き。受験生の味方。
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合格思考憲法の口コミ・書評5
分かりやすい。使える。でも…
「書き方がわからん!!」となりがちな憲法にあって、本書は大変貴重です。
人権各論の部分では、各権利類型ごとに条文・定義・保障根拠・保護範囲を明記した上で、関連する判例を紹介。旧司法試験や予備試験などによって、問題演習までさせてくれます。答案の書き方が見えてくる良書であることに疑いはありません。しかも、合格者による補訂がなされたばっかり!最新の傾向も反映されていましょう。
一方、記述には注釈が必要な部分もあるかと思われます。
例えば、「判例上の『私生活上の自由』に自己情報コントロール権は含まれない。あくまでも、“〜されない自由”としての保障にとどまる。自己情報コントロール権として論証する場合は、判例との差があることについて積極的な理由づけが必要となる。」(27頁)とされていますが、「判例との差」とまで言い切れるかは疑問です。「誤り」などでは無いかと思いますが、他の文献と見比べることで視野が広がるのは間違いありません。
(判例上自己情報コントロール権が事実上認められているとする見解につき、佐藤幸治『日本国憲法論(第2版)』(2020年)成文堂、205頁。自己情報コントロール権としてプライバシー権を再構成することが判例に整合的であるとする見解につき、新井誠他『憲法Ⅱ 人権』(2016年)日本評論社、51頁。外国人指紋押捺事件・住基ネット事件の両判決を分析し、「高度の秘匿性のあるプライバシーが問題となる事案において、自己情報コントロール権が肯定され、意見審査基準としても厳格度の高いものが選択される可能性を判例は留保している」とする見解につき、大島義則『憲法の地図 条文と判例から学ぶ』(2016年)法律文化社、7頁。)
ただし、読みやすさも本書の利点です。注釈が必要だと思う反面、そんなものをつけたら分厚くなっちゃうし…う〜ん…。
いずれにせよ、一度手に取ってみるべき書籍かと思われます。各論点の整理が参考になるため、副読本として参照するのもアリ。私はそのように用いております。続きを読む 閉じる
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合格思考憲法の口コミ・書評5
受験生の実態に沿った本
憲法は実体験としても、理想とされる答案の水準と、実際合格をする受験生の水準に大きな乖離がある科目であると思います。憲法は判例の射程を緻密に検討し解答させる問題が多く出ますが、試験委員の設定した問題意識に正面から答えられる受験生はあまり多くないのが現実です。そこでこの本は学問的な正確性や高度なことを教える前に、まず司法試験受験生として抑えておくべき憲法の答案の型、処理手順を丁寧割わかりやすく解説してくれています。憲法が苦手な受験生、憲法の勉強をして基本書を読んではみたもののどのように答案を書いていいかわからないという方は是非使ってみてほしい一冊です。
(2019年予備試験合格者)続きを読む 閉じる
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合格思考憲法の口コミ・書評5
補訂前の本書を持ってる人は買い替え必須
人権毎の処理手順をまとめるのに最適です。
補訂によって慶應の某教授のエッセンスが入っている箇所が多々見受けられるのでめちゃくちゃ分かりやすくなってますし、そういう意味で憲法判例の射程と相性がいいと思います。
まとめ本なのでこれだけで乗り切るのは無理ですが、基本書や憲法判例の射程などを併用してこの本に書き込んでいくのが良いのではないでしょうか。続きを読む 閉じる
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合格思考憲法の口コミ・書評5
憲法答案の作法を学ぶ第一歩として
憲法答案の書き方がわからない、という人にぴったりの本。この本だけで、学説の内容や、判例の理解が得られるというものではないが、憲法答案を書いたことがない人が、初めて読む本としては、いいと思う。もちろん、この本を読んだ後に、次のステップに進まなくてはならない。答案の骨格を体得しても、各論の内容について深い理解を得るためである。
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日本国憲法論の書評・口コミ3
オーバースペック
他の方も指摘しておりますが、参照・引用元が明らかに司法試験で使われる基本書でなく、マニアックな学者からのものが多いです。そのため、ややマニアックな論点にも突っ込んでおり、明らかにオーバースペックな1冊になってます。
もっとも、統治機構に関する記述は秀逸です。芦部は統治の記述が薄く、択一対策にもあまり適しておりませんが、佐藤先生の場合、統治にもかなりの分量を割いておりますので、択一対策に有用です。
名無しさん続きを読む 閉じる
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日本国憲法論の書評・口コミ3
辞書として
憲法学で著名な作者の基本書です。
特に統治機構の分野が詳細に記載されています。
最近に出版された本ですが,最新の判例に対する評価については,深く記載がある印象はありません。
しかし,基本的な定義から書かれているので,調べものをしたいときに手元においてあると便利な本で,とりわけ,択一対策に有用です。続きを読む 閉じる
法律書籍の口コミ・書評一覧