AI要約:『基本行政法』の評価と特徴
本書は、ケースメソッド(事例演習形式)を全面的に採用し、抽象的な行政法理論を「具体的な事案の解決」へと結びつけた、受験界で絶大な人気を誇る基本書です。
主な特徴とメリット
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「解き方」が見えるインプット: 各章が重要判例をベースにした設例から始まり、それを解くプロセスを通じて理論を解説します。単なる知識の羅列ではなく「個別法の解釈」や「思考の手順」を学べるため、論文対策に直結します。
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そのまま使える論文フレーズ: 司法試験の答案でそのまま使えるような実践的なフレーズが多く、判例を意識した記述が特徴です。なぜそうなるのかという理由付けも丁寧で、既存の基本書で抱きがちな「なぜ?」という疑問を解消してくれます。
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図表による視覚的理解: 複雑な行政手続や訴訟構造が「感動的に分かりやすい」図表で整理されており、視覚的にも理解を助ける工夫が随所に施されています。
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判例の「射程」を意識した分析: 重要判例に新事情を加えたケースなども掲載されており、判例の事案と対比しながら分析する力を養うことができます。
留意点
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「基本」だがスパルタな難易度: 初回から具体的な個別法の解釈を求める徹底したケースメソッドであるため、完全な初学者が一冊目として読むと挫折するリスクがあります。
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事前準備の推奨: 多くの受験生が「入門書(サクハシや藤田入門など)で全体像を把握してから読むことで、真価が発揮される」と指摘しています。ある程度の基礎知識があれば、これほど分かりやすい本はないという評価が共通しています。
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学習の補完: 論文対策には非常に強力ですが、短答プロパーの細かい知識については、逐条テキスト等での補充が必要とされています。

レビュー
7
基本ではないような。
この本は原則、各章、各項目ごとに、判例の事案を簡略化したものを題材に、その章の内容を説明していくという形式が採用されています。(他のレビューの言葉を借りると、ケースメソッドになります)
初学者にとって、入りが判例(事案)というのはとっつきにくい点があると思われ、「基本」という割には、一読して理解できないことがあります。行政法は特に理解すべき法律用語が多いため、前提知識なしでこの本を読む場合には2周3周することになるでしょう。
一方でひととおり勉強した後になると、簡略化した事案→説明という順番は、短時間でポイントを抑えることができ、便利です。演習本ほど説明が薄いこともなく、判例記述が薄すぎる基本書というわけでもないといった良いバランスとでもいいましょうか。。
このように、基本という割には難しいような気がするのでおすすめはしにくいですが、ただ悪いというわけでもないなと思います。
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基本シリーズの行政法版
基本刑法、基本憲法と同様に、ケースメソッドが採用されています。事例を解きながら行政法の基礎基本を習得することが出来ます。また、掲載されているケースの中には、重要判例に新事情を加えるなど、判例の事案との対比という視点から分析する力を養うこともできます。独学派の人、予備校波の人にもお勧めの一冊です。
-73期司法修習生(旧サイト)-
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初学者の方にはきついかも…
行政法を分かりやすく解説した本書。適宜挿入される図・表が、また感動的に分かりやすい。サクハシと並び、大変な人気を誇っているのではないでしょうか。
しかし、初学者の方にはややスパルタかもしれません…。
本書の大きな特徴として、充実したケースメソッドがあります。具体的な事案をイメージしながら行政法を学べるため、大きなメリットであることは間違いありません。
ただ、本書のケースメソッドはかなり徹底されており、休ませてくれません。しかも提示される設問は、馴染みのない個別法の解釈をさせる問題。行政法の科目特性上仕方がないのですが、「行政法なんて、見たこともなければ聞いたこともありません!」という完全な初学者であった私は、行政作用法までで力尽きてしまいました…。
本書の良さがわかったのは、入門書の名著たる藤田宙靖『行政法入門(第7版)』を読んだ後でした。行政法の全体像を(ある程度)把握した上で読むと、『基本行政法』のなんと分かりやすいことか。残りの部分も含めてサラリと読むことができました。
問題演習をする際にも、参照すると必ず有益なヒントを与えてくれる書籍です。素晴らしい書籍であることには疑いの余地なし。初学者の方は、入門書を一読されてから取り組むことをお勧めいたします。
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