行政判例百選Ⅱの口コミ・書評 3.38 2 行政法 行政判例百選II〔第8版〕: 別冊ジュリスト 第261号 (別冊ジュリスト no. 261) created by Rinker >>>Amazonで口コミを確認する Amazon 楽天市場 Yahooショッピング 判例集 Post Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it 総合得点 3.38 2 司法試験への有用性 3.50 わかりやすさ・読みやすさ 2.00 網羅性 5.00 コスパ 3.00 レビュー 2 重要判例を読めば高得点が狙えるから重要判例についてのみ強く読むべき。 1 司法試験への有用性 端的に言います。有用だけど、全部読むのはかなりキツイ(百選Iも含めるとほぼ無理?)です。だから、工夫が必要です。重要な判例を自分の基準で見つけて、読むと決めた判例を徹底して読み込む、という方法がおすすめです。 本稿投稿日は2025年(令和7年)8月26日です。去年の令和6年や今年の令和7年の司法試験の問題を見てください。都市計画の複雑な判例や病院開設中止勧告事件の内容をおさえたうえで、出題された事例の異同をとらえて判例の射程を議論しなければ高得点は難しいと言わざるを得ないでしょう。 まずは事例を、端的に数行説明できるほど読み込んでください。暗唱してもいいし論証としておさえるのもいいでしょう。判例の事例を数行で説明できるようになったら、似たような事例の問題がでたとき、その説明をさらっと書き上げ、本件の問題での異同を言及して結論を導くのです。 具体的な勉強法を伝授する場所ではないのでこれ以上の説明を避けますが、そのような判例の射程を学ぶ格好の教材になるのが判例百選です。その点で本書は非常に重要な教材ということがいえます。 2 わかりやすさ・読みやすさ わかりやすい・読みやすいとは思わないです。しかし、かといってわかりにくい、読みにくいとも思わないですね。私は倒産法の判例百選の解説は理解しがたくて大嫌いなのですが、行政法はそうでもなかった印象です。 解説は複数の判例や学説を比較しているのでその点丁寧といえますが、自分で表やまとめノートを作らないと混乱するので注意が必要です。たまにかなり深い議論までしていますが、興味深くて面白くて好きなのですが、直接司法試験に役に立たないだろうな、ってところがあるのでそこはお好きに読み込んでください。たとえば、都市計画の策定(都市計画決定)には形成の自由(ドイツ語でゲシュタルトゥングスフワイハイライト!)というのが認められて広い裁量が認められるみたいなことが書かれています。面白くないですか? 3 網羅性 言うまでもなく、網羅性は激しく広いです。広すぎて、暴力的、というべきレベルです。 それゆえに、取捨選択が必要なんですね。私の場合は、ローの教授に重要判例を選別してもらって、絶対読んでほしいもののみを読むなどしてましたね。あとは、予備校教材のAランクの判例だけ読むとか、過去問で出た判例を読むとかです。ここはぜひ工夫してください。 4 コスパ コスパは、何度も言及する通りうまく読む判例を選抜すれば、よいです。全部読むってなると、コスパ最悪になるので扱いに要注意です。 続きを読む 閉じる S 3.50 2025.08.27 このクチコミは参考になりましたか? はい 0 深掘りしたい時に読む 判例集の定番である判例百選ですが、各科目によってその重要度や活用法は異なると思います。特に行政法に関して言えば、余裕があれば通読して体系的な理解を深めたいところですが、実際にはその余裕がないというのが現実ではないでしょうか。行政法は個別法の解釈が極めて重要であるため、判例百選を読むだけではなく、実際に事例問題に取り組みながら具体的な問題状況に即して判例の理解を深めていくのが効果的だと思います。それでも、判例百選は信頼できる解説が多く含まれているため、手元に置いておくと疑問が生じた際や重要な論点を確認したい際に非常に役立ちます。処分性や原告適格などの基本的かつ重要な論点に関する判例を深掘りして読み込むだけでも使用する価値はあるかと思います。 続きを読む 閉じる ロー生 3.00 2025.01.05 このクチコミは参考になりましたか? はい 0 クチコミを書く 行政判例百選Ⅱの口コミ・書評返信をキャンセルする。 ニックネーム任意 司法試験への有用性必須 星の数をお選びください わかりやすさ・読みやすさ必須 星の数をお選びください 網羅性必須 星の数をお選びください コスパ必須 星の数をお選びください クチコミのタイトル必須 クチコミ内容必須 クチコミ投稿の注意点 【禁止事項】 実際の読書(読者)体験に基づかない口コミ、著者・出版社による口コミ。 【違反時の取扱い】 違反が判明した際は、違約金を請求することがあります。
レビュー
2
重要判例を読めば高得点が狙えるから重要判例についてのみ強く読むべき。
1 司法試験への有用性
端的に言います。有用だけど、全部読むのはかなりキツイ(百選Iも含めるとほぼ無理?)です。だから、工夫が必要です。重要な判例を自分の基準で見つけて、読むと決めた判例を徹底して読み込む、という方法がおすすめです。
本稿投稿日は2025年(令和7年)8月26日です。去年の令和6年や今年の令和7年の司法試験の問題を見てください。都市計画の複雑な判例や病院開設中止勧告事件の内容をおさえたうえで、出題された事例の異同をとらえて判例の射程を議論しなければ高得点は難しいと言わざるを得ないでしょう。
まずは事例を、端的に数行説明できるほど読み込んでください。暗唱してもいいし論証としておさえるのもいいでしょう。判例の事例を数行で説明できるようになったら、似たような事例の問題がでたとき、その説明をさらっと書き上げ、本件の問題での異同を言及して結論を導くのです。
具体的な勉強法を伝授する場所ではないのでこれ以上の説明を避けますが、そのような判例の射程を学ぶ格好の教材になるのが判例百選です。その点で本書は非常に重要な教材ということがいえます。
2 わかりやすさ・読みやすさ
わかりやすい・読みやすいとは思わないです。しかし、かといってわかりにくい、読みにくいとも思わないですね。私は倒産法の判例百選の解説は理解しがたくて大嫌いなのですが、行政法はそうでもなかった印象です。
解説は複数の判例や学説を比較しているのでその点丁寧といえますが、自分で表やまとめノートを作らないと混乱するので注意が必要です。たまにかなり深い議論までしていますが、興味深くて面白くて好きなのですが、直接司法試験に役に立たないだろうな、ってところがあるのでそこはお好きに読み込んでください。たとえば、都市計画の策定(都市計画決定)には形成の自由(ドイツ語でゲシュタルトゥングスフワイハイライト!)というのが認められて広い裁量が認められるみたいなことが書かれています。面白くないですか?
3 網羅性
言うまでもなく、網羅性は激しく広いです。広すぎて、暴力的、というべきレベルです。
それゆえに、取捨選択が必要なんですね。私の場合は、ローの教授に重要判例を選別してもらって、絶対読んでほしいもののみを読むなどしてましたね。あとは、予備校教材のAランクの判例だけ読むとか、過去問で出た判例を読むとかです。ここはぜひ工夫してください。
4 コスパ
コスパは、何度も言及する通りうまく読む判例を選抜すれば、よいです。全部読むってなると、コスパ最悪になるので扱いに要注意です。
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深掘りしたい時に読む
判例集の定番である判例百選ですが、各科目によってその重要度や活用法は異なると思います。特に行政法に関して言えば、余裕があれば通読して体系的な理解を深めたいところですが、実際にはその余裕がないというのが現実ではないでしょうか。行政法は個別法の解釈が極めて重要であるため、判例百選を読むだけではなく、実際に事例問題に取り組みながら具体的な問題状況に即して判例の理解を深めていくのが効果的だと思います。それでも、判例百選は信頼できる解説が多く含まれているため、手元に置いておくと疑問が生じた際や重要な論点を確認したい際に非常に役立ちます。処分性や原告適格などの基本的かつ重要な論点に関する判例を深掘りして読み込むだけでも使用する価値はあるかと思います。
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