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法律書籍の口コミ・書評一覧

  • 憲法I 総論・統治 NBS (日評ベーシック・シリーズ)の書評・口コミ
    2

    統治の入門

    日本評論社の安定の入門シリーズ(日評ベーシック・シリーズ、NBS)の憲法統治編です。統治の勉強は後回しにしがちですが、本書だけでも読んでおくと統治の全体像がスッと入ってきます。判例通説ベースの解説で、初学者向けにわかりやすく解説されております。日本評論社といえば、基本憲法などの基本シリーズも人気ですが、順番としては、NBSシリーズ→基本シリーズの順で勉強するのが良いかと思います。無理なくステップアップ出来ると思います。基本シリーズの後は、演習に取り組もうかと思っています。

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    • OCL
    • 4.00
  • 精読憲法判例[統治編]の書評・口コミ
    1

    憲法統治における最強の判例(解説)集

    百選と違い、ほぼ全文が掲載されているうえ、横に判決文の段落に対応した解説が付されているため、判決における論理の運びを掴みやすい。しかし、そもそもそこまで出題されない統治に関して、ここまで必要かと言われれば必要でないと思う。
    憲法を理解するために、統治もしっかり勉強したい、という人にはおすすめの判例集である。
    令和2年の岩沼市議会出席停止事件までカバーされており、非常に信頼できる。

    良い点
    ・判決の論理構造を簡潔にまとめてくれている。
    ・判決全文に対応した解説が付されている。
    ・重要な判例はほぼ収録している。
    ・基本的には、1人1章で執筆しているため、混乱がない。

    悪い点
    ・全部読み込むには、時間がかかりすぎる。
    ・判決全文を読んでもわからない人には、向かない。

    結論
    百選に掲載されている判決要旨が短すぎて、判決の論理構造を掴めない。という方には、おすすめである。しかし、全文読んだところで長すぎて読めない、理解できない、という人は、絶対に手を出してはいけないように思う。

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    • miroru
    • 3.00
  • 憲法I 総論・統治 (LEGAL QUEST)の口コミ・書評
    2

    おすすめはしない

    大学の指定教科書だったので購入しましたが、あまりおすすめはできません。
    共著であるためか、項目の立て方などが一貫しておらず、また、独自説あるいは少数説であると思われる自説が、そうであると明示されずに記述されている箇所がままあります。
    はしがきには、学説対立に踏み込んだ記述や著者の見解を遠慮なく盛り込んだ旨の記載があり、オーソドックスな教科書的役割を果たすことは想定されていないようにも思われますので、本書をあえてメインの基本書に据える必要はないかと思います。
    その分、毛利先生執筆の平和の箇所など、判例や学説に対する鋭い指摘もあり、おもしろい記述が多くあることも事実ですので、余裕があればご一読されてもいいかと思います。
    本書では大きく紙面を割いて、適用違憲・法令違憲や、合憲限定解釈、主張適格など、憲法訴訟論がかなり詳しく解説されていることも、特徴的です。

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    • 運営者
    • 2.00
  • 憲法I 総論・統治 (LEGAL QUEST)の口コミ・書評
    2

    一部難解な点もあるが総じて高評価

    憲法総論、統治分野において最低限押さえるポイントは詰まっていると思う。ただ、国民主権の部分と司法権、憲法訴訟の部分はとても高度な議論に発展しており他の文献も参照しながらでないと理解するのが困難かもしれない。共著であるため文章の難易度にばらつきはあるが、初心者でもなんとか読める1冊だとは思う。

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    • 運営者
    • 3.00
  • 伊藤真の憲法入門の書評・口コミ
    1

    別の入門書もありますよ。

    大学一年の秋、大学で「憲法」の講義が始まると同時に購入しました。
    筆者は、かの有名な伊藤真氏。きっと分かりやすく纏められているのだろう、と期待していました。

    しかし、本書はその期待に十分に応えてはくれませんでした。
    その理由は以下の通りです。

    ① 「通説」なのはいいけれど

    「通説」(と、著者が考えているもの)べったりであることは、一面では本書の美点であろうと思います。しかし、それ故の弊害も持ち合わせているように思います。
    例えば著者は、人権の制限について以下のように断言します。
    「ある個人の人権、ある人(あるいは法人)の人権を制限するのは、他の個人の人権でしかありえないのです。」(102-3頁)
    そして、「『公共の福祉』だとか『社会の利益』だとかいうのは、言葉として、たぶん皆さんのイメージの中では『社会一般の利益』だとか『社会の秩序』だとか、それらのために個人の人権が制限される、というイメージをもっているのではないかと思うのですが、そうではないのです」(103頁)とした上で、「人権と人権のぶつかり合い、矛盾・衝突を調整するための実質的公平の原理」(105頁)として公共の福祉を位置付けます。
    一元的内在制約説を、今どき珍しいほど無批判に採用しているものと言えるでしょう。
    当然ながら、この見解には批判があり得ます。
    「通説的」と評価される芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法(第7版)』(岩波書店、2019年)にさえ、「近年提起されている次のような批判にも注意しておく必要がある」として一元的内在制約説への批判が掲載されています(同102頁)。
    もちろん、憲法学説は百家争鳴。批判があるからといって、必ず掲載しなればならないわけではありません。
    問題は、ここまで「断言」していることにあるのです。
    こんなにも自信満々に述べられると、本書の読者は「人権を制限できるのは人権しかないんだね!」と思うでしょう。あるいは、「基本的な知識」として「身につけてしまう」(2頁)かもしれません。
    というより、私はそうしました。
    しかしこの考えは、憲法を学習する中で早晩維持できなくなります。「対立する人権」なるものを設定しがたいケースが存在し、結構重要論点だったりするためです。
    代表的なものを挙げれば以下の通りです。
    ⑴ 博多駅事件などの「公正な刑事裁判の実現」の要請
    ⑵ 公務員の政治的行為制限などにおける「行政の中立的運営・それへの国民の信頼」など
    ⑶ ビラ貼り規制などにおける「都市の美観風致の維持」など
    〔以上3点を挙げるものとして参照、工藤達朗「人権と基本権」中央ロー・ジャーナル(2016年)13巻1号106-108頁。〕
    いずれも百選掲載レベルで、是非抑えておきたい「基本的な知識」に当たるでしょう。そして、「人権」として構成するのは難しかろうと思います。
    しかし「ある個人の人権、ある人(あるいは法人)の人権を制限するのは、他の個人の人権でしかありえない」。何とかしなければなりません。
    あるいは、これらの論拠を認める判例を全面的にぶっ叩くしかありません。
    それでいいのか。
    少なくともこの箇所は、通説(というよりも宮沢説)への批判にも一言触れておくべきでしょう。

    ② 講義風なんだろうけど

    本書の文体は、「です・ます」調の敬体です。
    実況中継風(はしがき)に記述したとのこと、それ自体は素晴らしいことでしょう。実際、これに近い記述法の名著はたくさんあります。(潮見佳男先生の債権各論などが代表的ですね。)
    しかし、本書の記述はいかにも冗長。一文が長く、極めて読みにくいです。
    私の好みの問題ですが…。

    ③ 以上から

    このような次第で、本書は私にとって期待外れでした。
    憲法の入門書を検討されるに際しては、他の選択肢も視野に入れられることをお勧め致します。
    参考までに、個人的に分かりやすく感じたのは以下の書籍です。

    ⑴ 毛利透『グラフィック憲法入門(第2版)』(新世社、2021年)
    ⑵ 阪本昌成編『謎解き日本国憲法(第2版)』(有信堂、2016年)
    ⑶ 松井茂記『日本国憲法を考える(第3版)』(大阪大学出版会、2014年)

    特に⑶は、記述スタイルも敬体で親しみやすいです。平易でありながら、混乱を招きかねない部分はきちんとフォローしています。
    例えば、①で述べた人権の制約根拠につき、40頁以下(特に43-44頁)をご覧ください。

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    • kenpou mania
    • 1.00
  • 憲法判例50! (START UP)の書評・口コミ
    2

    判例学習のファーストチョイス

    当方、法学初学者ですが、学習を進める中で最初にぶち当たった壁が『判例』の理解でした。判例百選など有名どころの判例集を勧められるがままに目を通して見ましたが、本文も解説も難解な文章がならび、「で、この裁判はどうなったの?」とまったくもって意味不明な状況でした。
    あるとき、司法試験合格者の方のブログを見てるときにこの書籍を知り、迷わずAmazonでポチり。目を通して感じた事は、とにかくわかりやすい!の一言でした。特に「この判例が示している事」は判例の趣旨や重要なポイントを簡潔にまとめてくれているので、まずはここを確認してから本文に目を通すと論理の流れが掴みやすく、判例の理解が飛躍的に進むようになりました。
    初学者の方はまずこの書籍を通読する事で、その後の判例学習の理解度が大きく変わる事と思います。

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    • 運営者
    • 5.00
  • 憲法判例50! (START UP)の書評・口コミ
    2

    精選された判例をわかりやすく。

    憲法判例は、案外多いものです。百選ならば208個+α、判例プラクティスならば351個+α。ぜーんぶ覚えられれば良いんですが、筆者には無理です。
    しかも、百選の解説には(司法試験的な意味で)「当たり外れ」があります。特に、百選Ⅰ(第7版)の42番、津地鎮祭事件についての解説は、中々に難解です。ドイツの議論の研究が学術上重要なことは疑いの余地なし。でも、百選でやらないでくれ…と、出来の悪い筆者は思います。じゃあ判プラでいいじゃねえか、とも思うのですが、こっちは解説があまりに短い。
    また、「判例の射程」を学ぶには、当該判決の事案がいかなるものか知ることが重要であるところ、百選にせよ判プラにせよ事案が短いです。「判例の射程」も何もあったもんじゃありません。
    以上のように、判プラや百選の問題点は、以下の三点です。
    ①判例多すぎ
    ②解説使えなすぎ(外れてたり、短かったり)
    ③事案短すぎ
    この点、本書『憲法判例50!』は良書です。
    ①扱われている判例は、わずか50。+αを含めても、百選や判プラより少ないことは言うまでもありません。こんなに少なくっていいのかとも思いますが、「丁寧に読む判例の数」としては十分なようです。(下級審まで遡って判決を読むことを勧める文脈で、『50!』の半分くらいでいいとする赤坂幸一教授の発言につき、曽我部他編『憲法論点教室(第2版)』(2020年)日本評論社、242頁。)
    ②解説も、大変分かりやすいものです。争点を「読み解きポイント」として明示し、判決の重要部分を青字にし、しかも「この判決が示したこと」として判決をまとめてくれる親切っぷり。解説本文も、内在的理解に努めるものとなっています。
    ③事案にも、かなりの文字数が当てられています。特に本書39番事件の「郵便法違憲判決」については、恥ずかしながら、本書で初めて事案の詳細がわかりました。
    通読用の憲法判例集としては、かなりの良書であろうと思います。

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    • 運営者
    • 5.00
  • 憲法I 基本権の書評・口コミ
    1

    メインテキストというよりも辞書向きかも?

    LSの授業で参考文献として挙げられていたため、購入しました。

    三段階審査を意識した記述で芦部憲法などに比べると丁寧な説明がなされています。
    ただ、説明が丁寧過ぎることもあり、私の場合は、メインテキストというよりかは、他の判例集等で理解が進まないときに調べる辞書という位置づけで使用していました(私の周囲でもこのテキストをメインテキストとして使っている人はそこまで多くなかったように思います)。

    近年の司法試験との関係でいえば、基本書を読み込むよりも判例集を読み込む方が優先順位としては高いと思いますので、司法試験や予備試験受験に向けて基本書と判例集のどちらを買うべきかで悩んでいる人は、こちらよりも判例集をまず購入されることをおススメします。

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    • Toyoda Daisuke
    • 4.00
  • 行政法解釈の技法の口コミ・書評
    1

    行政法事例問題演習に外せない良書

    行政法事例問題を検討する際の、思考方法と答案の書き方がよくわかる本である。
    一読しておくと、初学者であれば、行政法事例問題に対する心理的障壁が低くなり、既にそれなりのレベルにいる人であれば、復習になる。

    ひとつ言うとすれば、入門書を読み終えた初学者で”わからない”ことに興奮を覚えるタイプの人間には、1章から読むのはおすすめしない。実に面白くないと感じるであろう。
    行政法事例問題においては、イメージが重要である。思い切って、予備試験解説の3章から読むことをおすすめする。その後、1章、2章を読んで知識を頭の中でつなげればよいだろう。
    このやり方のデメリットとしては、貴重な演習問題である予備試験過去問が初見でなくなることだが、初学者のうちに触れたところで、すべてを理解することはないから問題ないと思われる。

    著者の一人である、伊藤 建先生がBEXAで出されている、行政法の流儀と組み合わせれば、最強である。

    ちなみに、2章の論点解説は、中原茂樹『基本行政法』&『基本行政法判例演習』を片手に読むと、理解が深まる。

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    • miroru
    • 5.00
  • 行政法解釈の基礎: 「仕組み」から解くの書評・口コミ
    1

    行政法が苦手な受験生必見

    本書は、行政法が苦手な受験生に是非手にとっていただきたい一冊です。行政法特有の難しさは、個別法の読み取りにあります。行政法の事例問題では、初見の法律をその場で読み取り、事例に適用することが必要となります。この個別法の読み取りが出来ずに、行政法に苦手意識を持たれている方も多いのではないでしょうか。
    本書は、そんな受験生にぴったりの書籍です。
    本書では、
    1 時間軸に沿った「仕組み」の解析
    2 行為要件・行為内容の解析
    3 規範の階層関係の解析
    4 制度趣旨に照らした考察
    5 基本原理に照らした考察
    を5つの行政法思考として、個別法の読み取りを学ぶことが出来ます。
    本書が提唱する「5つの行政法思考」をマスターすれば、安定した得点を取れるようになるはずです。

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    • 運営者
    • 4.00